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スポーツは、英語のsports(sportの複数形)のカタカナ表記である。sportという単語は江戸時代後期の英和辞典に見られるが、スポーツという日本語が定着したのは大正年間のことである。

語源はラテン語のdeportareにさかのぼるとされ、「ある物を別の場所に運び去る」転じて「憂いを持ち去る」という語感、あるいはportare「荷を担う」の否定形「荷を担わない、働かない」という語感から、古フランス語のdesport「気晴らしをする、遊ぶ、楽しむ」を経て現在のsportに至ったと考えられる。

その原義は現在も保持されているが、意味するものは時代とともに変化している。17世紀~18世紀には、sportは新興階級の地主ジェントリの特権的遊びである狐狩り等の狩猟を第一に指した。

しかし19世紀に入ると、キリスト教徒 (muscular christian) 運動や、運動競技による人格形成論が台頭。sportとは、スポーツ専門組織(競技連盟など)によって整備されたルールに則って運営され、試合結果を記録として比較し、その更新をよしとする運動競技を第一に意味するようになった。これが現在も行われている近代スポーツである。

一方、明治以来の富国強兵、殖産興業の国策を執っていた日本では、遊び戯れるという意味のスポーツが公には肯定されず、国民体育としてスポーツが認識されるようになり、昭和初期には原義とは異なった価値観で発展を遂げた。従って、マインドスポーツと言われ、欧州では記事が新聞のスポーツ面で扱われるチェスや囲碁が国際スポーツ大会の種目になっていたり、五輪の公式競技採用を目指しているという事実に対しては違和感を示す日本人が極めて多い。また、アジアオリンピック評議会がアジア室内競技大会の種目としてコンピュータ・ゲームを「eスポーツ」として採用したことを決定した際には、JOCでさえ「そもそもスポーツと言えるのか」という反応を示した。

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

古閑美保

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